「今までは教科書的な対応を患者さんに説明していたんですけど・・・」 「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長のお宅では、小さな子ども2人が感染して自宅療養を経験しました。ただ、田代院長と奥様はこの療養期間中を通しても症状もなく、検査でも陰性でした。 マスクをつけたがらない3歳の長男。そしてまだ7か月の長女。 実践した「割り切った」感染防止策をご紹介します。 山内あゆキャスター: 家族構成から見ていきます。 田代院長(32)と妻(30)、そして感染したのは長男(3)です。 7月31日に感染がわかり、最も高いときに熱は39.6℃まで上がりました。 翌日に長女(7か月)の感染がわかり、発熱は38.8℃、ただ、田代院長と奥様はこの療養期間中を通しても症状もなく、検査でも陰性でした。 これまで田代院長も様々な対策を呼びかけていました。 【これまで「自宅療養」で呼びかけたこと】 ▼部屋を隔離してわける ▼手指消毒の徹底 ▼感染者のトイレ使用後、30分間換気(共用の場合) ▼タオルは共用しない いざ我が子が感染して自宅で療養してみたところ難しい点がありました。 実際に映像に撮っていただきました。 自宅療養をしていたときの長男(3) 少し目を離した隙には… 田代医師 「行きたいよね、でも病気だから行けないんだ」 長男(3) 「行きたい!行きたい!」 涙ながらに「外に行きたい」と訴えます。 室内でのマスクも… 嫌がりながらもマスクをつけてくれましたが、わずか2分後。 マスクを長くつけていることができずにすぐに外してしまいました。 小さい子供に感染対策をさせることは想像以上に難しく、田代院長はいくつかの対策を諦めたというんです。 その諦めたことのひとつは「無理に子供を隔離する」ということです。 「無理に子どもだけ隔離することで、子供どものメンタルを傷つけてしまう」というふうに思ったそうです。 なので、「子どものマスク着用を諦めて、大人が『飛沫を吸い込まない』」という対策に切り替えたというんです。 田代院長の自宅はゾーニングも変えました。子供をひとつの部屋に入れておくということではなく、子供たちが自由に過ごせる場所を、大人は「マスク着用ゾーン」にします。 そして田代院長の仕事部屋。ここはマスクが外せる場所、子供が入らないようにするというふうに分けました。 担当も決めました。田代院長=長男担当、奥様=長女担当。そして一緒に寝るとき、大人は医療用マスクをしたまま眠ったということです。 また、長男(3)がまだ自分で歯磨きが出来ないので、風呂場で歯磨きをしました。風呂場は湿度が高くエアロゾルが舞いにくいことから感染リスクが下がるということで、風呂場で子どもの歯は磨きました。 ホラン千秋キャスター: 田代院長は実際に体験してみて初めて「こういうことなんだ」、「これができるんだ」、「これができないんだ」ということを実感したということでしょうか? ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長: そうですね。今までは教科書的な対応を患者さんには説明していたんですけど、実際に自分の身に起こると、未就学児なので僕らの指示もなかなか入らないですし、飛沫をずっと出してる状況なので、いかに吸い込まないかというところに主眼を置いて対応しましたが様々な問題がありまして、割り切ったところは割り切ったかなと思ってます。 井上貴博キャスター: 割り切れるところを割り切りつつ、子供に何かを強いるという考え方からの転換で大人ができることをとにかくやるという考え方ですか? 田代院長: そうですね。子供にとってはコロナになってしまって外にも行けない、制限が非常に多くてメンタル的にもダメージが大きいので、それ以上追い込むのもかわいそうだったので、我々の方をいかにして守るかということに主眼を置きました。 ▼TBS NEWS DIG 公式サイト ▼チャンネル登録をお願いします! ▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」 ▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
ニュースエブリー,鈴江アナ
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