2019/1/11 昨年まで4度続けて箱根優勝のゴールテープを切った青学大が、今年は大手町で悔し涙を拭った。3分41秒差の2位だった。 レースは3区の森田歩希(4年)でトップに立ったが、4区の岩見秀哉(2年)が思うように走れず、3位に転落。何とかたすきをつなぎ、5区の竹石尚人(3年)に挽回を託した。 昨年も山を上り、「新・山の神」との呼び声も高かった竹石だが、今年は苦しんだ。「上りに入ったところで足が動かなくなりました」と竹石。気づけば8位まで落ちていた。それでも最後まで懸命に追って2人を抜き、6位で往路のゴールテープを切った。 翌日の選手たちにあきらめた様子はなく、むしろ復路逆転に向けて闘志を燃やしていた。 最終10区は鈴木塁人(3年)に任された。東洋大を抜き去り、2位へ浮上。先頭の東海大には届かなかったが、2位でゴール。新記録での復路優勝を果たし、王者青学の強さは示した。 レース直後の報告会で、選手たちは自分の言葉でレースを振り返った。主将の森田は淡々と語っていたが、途中で空を仰ぐと、一気に涙があふれ出た。森田はこの1年間、主将として「言葉で引っ張るというより、競技の結果で引っ張りたい」という思いで、チームの先頭に立ってきた。それを裏付けるように、試合後の選手らへの取材で、下級生の多くは「森田さんをはじめとした4年生が背中で見せてくれた」「競技だけでなく私生活の面から引っ張ってくれました」と話していた。一人ひとりが4年生の大きな背中を追って、ここまで成長してきた。森田はそんなチームに向けて「みんなが頑張ってくれたので、本当にうれしく思います」とひとこと。その言葉には、1年間チームをまとめてきた主将の温かさ、チームへの強い思いが込められていた。 2020/1/4 今年の箱根駅伝は青山学院大が2年ぶり5度目の総合優勝を飾った。青学は往路の4区でトップに立ってから1度も首位を譲らず、10時間45分23秒の大会新記録でゴール。原晋監督が優勝を確信したのは、8区ラスト5km。前回大会の4区で失速した岩見秀哉(3年、須磨学園)が、力強く遊行寺の坂を登る姿を見たときだという。岩見はレース後、「自分の『リベンジしたい』という思いよりも、去年の4年生やチームメイト、みんなの言葉で頑張れました」と口にした。 レース前日、メンバーの誰よりも自分が緊張していると感じていたが、往路の選手たちの力強い走りに勇気づけられた。そして、昨シーズンの4年生だった森田歩希(現GMOアスリーツ)や小野田勇次(現トヨタ紡織)、梶谷瑠哉(現SUBARU)らもまた、岩見の力になってくれたという。「4年生の先輩方がLINEを送ってくださって『楽しんでこい』『期待してる』『これまでよく頑張った』って、うれしい言葉をかけてくれました。本当に助かりました」と笑顔で語った。
青学竹石
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